クラウドPBXを検討するうえで、必ず知っておいていただきたいのが緊急通報の扱いです。結論から申し上げます。VoiceLine PBX クラウド版は110/119等の緊急通報に対応していません。別回線(固定電話・携帯電話等)を必ずご用意ください。対応できない理由と、別回線の用意と周知のしかたを説明します。

VoiceLine PBX クラウド版は緊急通報に対応していません

110番(警察)、119番(消防・救急)、118番(海上保安)といった緊急通報は、通報者のおおよその位置を緊急機関へ正確に伝える仕組みと密接に結びついています。クラウドPBXは、スマートフォンやパソコンから場所を問わず発着信できる仕組みであるため、発信元の物理的な位置を緊急機関へ伝える前提を満たしません。

したがって、VoiceLine PBX クラウド版のアプリやソフトフォンから110番・119番などへ発信することはできません。これはクラウド電話に共通する特性であり、緊急時に頼れる手段ではありません。「いざというときは何とかなるだろう」という想定は禁物です。緊急通報は、必ず別の回線で確保してください。

必ず別の回線を用意する

緊急通報に備えるには、VoiceLine PBX クラウド版とは別に、緊急通報に対応した回線を必ず用意してください。具体的には、以下のような手段があります。

  • 各自が持つ携帯電話・スマートフォンの標準の電話機能(キャリア回線)から直接かける
  • 緊急通報に対応した固定電話回線を別途契約しておく

オフィスや現場では、「緊急時はクラウドPBXのアプリではなく、携帯電話の標準の通話機能から110番・119番にかける」というルールを、全員に明確に周知してください。電話機の近くや現場の見やすい場所へ掲示し、社内マニュアルにも明記してください。

業務シーンで考える備え

たとえば事務所で急病人が出たとき、とっさにいつもの業務用アプリを開いてしまうことは十分に起こり得ます。だからこそ「緊急通報は携帯の標準機能から」というルールは、頭で理解するだけでなく、目に入る場所に掲示しておきます。

建設現場や仮設事務所のように人の出入りが多い場所では、その日その場にいる人が緊急通報手段を把握しているとは限りません。各現場に緊急通報できる携帯電話が必ずあること、誰でもかけられることを、朝礼などでその日ごとに確認してください。

社内で周知しておきたいこと

緊急時は誰もが慌てます。だからこそ、平常時に手順を決めておくことが命を守ります。次の点を社内で共有しておきましょう。

  • 緊急通報はクラウドPBXからではなく、携帯電話の標準機能や緊急対応回線からかけること
  • 各拠点・各現場に、緊急通報に使える手段が必ずあることを確認しておくこと
  • 通報時に伝えるべき住所や目印を、拠点ごとにあらかじめ整理しておくこと

特に複数の拠点や仮設の現場がある場合は、それぞれで緊急通報手段が確保されているかを定期的に点検してください。点検を一度きりで終わらせ、人の入れ替わりとともに形骸化するのは、よくある失敗です。

あわせて知っておきたい前提

VoiceLine PBX クラウド版は、緊急通報に加えてFAXの送受信にも対応していません。これらは別の手段で補う前提となります。日常の業務電話はクラウドで効率化し、緊急通報という命に関わる部分は別回線で確保する。この役割分担が、安心して使うための土台になります。

安全のためにいちばん大切なこと

VoiceLine PBX クラウド版は便利な一方、緊急通報に対応していないという重要な前提があります。別回線を必ず用意し、社内ルールとして周知する。この二つを徹底することが、安全な運用の絶対条件です。命に関わる部分だからこそ、曖昧にせず明確にしておきましょう。緊急通報手段の備え方は、拠点や現場の数をうかがったうえで、どこに何を置くかまでお答えします。


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