問い合わせ対応を改善するとき、最初の壁になるのは何をどう測るかです。コールセンターの世界では、対応状況を数値で把握するためのKPI(重要指標)が使われています。代表的な応答率・ASA・AHTについて、意味と見方を整理します。

応答率:どれだけ電話を取れているか

応答率は、かかってきた電話のうち、実際に対応できた割合を示す指標です。たとえば100件の着信のうち90件に応答できれば、応答率は90%となります。

応答率が低いと、お客様が「電話がつながらない」と感じ、機会損失や不満につながります。まずは現状の応答率を知り、取りこぼしが多い時間帯を把握することが、改善の出発点になります。VoiceLine PBX クラウド版では、コールセンター機能(契約オプション)を使うことで、こうした入電状況を把握しやすくなります。

ASA:お客様をどれだけ待たせているか

ASA(平均応答速度)は、お客様が電話をかけてから担当者につながるまでの平均待ち時間を表します。この時間が長いほど、お客様は待たされていることになり、途中で切ってしまう原因にもなります。

ASAを短くするには、混雑する時間帯に人を厚く配置する、ガイダンスで用件を振り分けてスムーズにつなぐ、といった工夫が有効です。待ち時間を「感覚」ではなく数値で見ることで、対策の効果も確認しやすくなります。

AHT:一件あたりにかかる時間

AHT(平均処理時間)は、一件の対応にかかる平均時間を示します。通話そのものの時間に加え、対応後のメモや記録にかかる時間も含めて考えるのが一般的です。

AHTは短ければよいというものではありません。短すぎる場合は説明が不十分かもしれず、長すぎる場合は手順に無駄があるかもしれません。よくある質問を整理して案内を用意するなど、品質を保ちながら無理のない時間を目指すことが大切です。

業務シーンで指標を読む

たとえば、応答率が下がっている時間帯を調べたら、毎週月曜の朝に着信が集中していた、というケースはよくあります。これが分かれば、月曜の午前だけ応援を一人増やす、といった具体的な手が打てます。

また、特定の担当者だけAHTが極端に長い場合、その人の対応が悪いと決めつけるのは早計です。難しい問い合わせがその人に偏っているのかもしれません。数値はあくまで「どこを詳しく見るべきか」を教えてくれるきっかけであり、結論そのものではない、という姿勢が大切です。

指標を見るときのチェックポイント

KPIを使うときは、次の点を意識すると判断を誤りにくくなります。

  • 一つの指標だけで良し悪しを決めていないか
  • 数値の背景(時間帯・担当・用件)まで確認したか
  • 短期の上下に一喜一憂していないか
  • 改善の目的(つながりやすさ・品質)を見失っていないか

応答率を上げようと急ぎすぎてAHTが短くなり、対応品質が下がっては本末転倒です。指標は組み合わせて読み、バランスを意識しながら少しずつ改善していきましょう。

なお、VoiceLine PBX クラウド版は緊急通報(110番・119番)やFAXの送受信には対応していません。緊急通報には別の回線を必ず用意してください。

数値は改善の道具

応答率・ASA・AHTは、問い合わせ対応の状態を客観的に見るための基本指標です。指標そのものを良くすることが目的ではなく、お客様がつながりやすく、満足できる対応に近づけることが本来の狙いです。まずは現状を数値で把握するところから始めてみてください。相談と見積りは無料です。現在の着信件数と窓口の人数をうかがったうえで、どの指標から見るのが有効かをお答えします。


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