カスハラ(カスタマーハラスメント)への対応で、後から効いてくるのが「記録」です。その場の対応に追われ、記憶や手書きのメモだけで済ませると、社内で共有したり相談体制につないだりする段になって、肝心の事実があいまいになりがちです。何を、どのように残しておくと、社内での判断や再発時の対応に役立つのか。記録・証跡の残し方を、残す要素・個人情報の扱い・権限管理の順に整理し、VoiceLine PBX クラウド版での残し方もあわせて紹介します。

記憶や手書きメモだけでは限界がある

カスハラの場面は、応対した本人が強いストレスを受けていることが多く、その状態で正確にメモを取るのは簡単ではありません。後で書き起こそうとしても、言われた言葉や時系列が曖昧になり、「だいたいこんな内容だった」という主観的な記録に偏ります。

社内で相談したり、法務や人事が状況を把握したりするには、誰が見ても同じように事実をたどれる客観的な記録が必要です。担当者個人の記憶に頼る状態から、組織として残す状態へ切り替えることが最初の一歩です。

何を残すべきか

カスハラ対応で残しておきたいのは、次の要素です。いつ・誰からの通話か、どんな発言があったか、現場でどう対応したか、上長がどう確認・判断したか、そして同じ相手から繰り返しがあるかどうか。これらがバラバラに保管されていると、後から突き合わせる手間がかかります。

VoiceLine PBX クラウド版のカスハラ対策では、ひとつのアラートに「通話記録・該当発話・対応メモ・管理者(スーパーバイザ)の確認記録・再発番号」を束ねて残せます。1件の事案に必要な情報がまとまっているため、後から探し回らずに済みます。

まとめて残すことの意味

要素を1件にまとめておくと、社内共有のときに状況が一目で伝わります。担当者が書いた対応メモだけでなく、実際の通話や問題となった発言、上長の確認記録まで同じ場所にあるため、説明の手間が減り、認識のずれも起きにくくなります。

残した記録は、CSV・JSONでの書き出しと、画面からの印刷に対応しています。社内の報告書式に合わせて加工したり、印刷して関係者に回覧したりと、用途に応じて取り出せます。なお自動でPDF帳票を作る仕組みではなく、印刷画面からPDF化する形です。

個人情報への配慮

カスハラの記録には、相手の電話番号や氏名といった個人情報が含まれます。これらをそのまま長く保管することには注意が必要です。VoiceLine PBX クラウド版では、保存する前に電話番号・氏名などをマスキングできます。マスキングは承認制で運用するため、誰の判断で伏せたかも残せます。

検知や記録の補助にはAIを使いますが、その処理は当社管理下の自前GPUで行い、通話内容を外部AI(OpenAI等)へ送信しない設計です。顧客情報の取り扱いに敏感な部門でも検討しやすい形にしています。

権限管理と監査ログ

記録を残すほど、「誰がその記録を見られるのか」も重要になります。カスハラの事案は機微な情報を含むため、閲覧できる人を絞る必要があります。VoiceLine PBX クラウド版では、閲覧の権限管理に加えて、誰がどの通話を扱ったかを残す監査ログを備えています。

記録そのものが適切に扱われているかを、後から確認できます。記録を残すことと、その記録を守ることは、同時に設計する対象です。

再発の把握と相談体制への接続

同じ相手から繰り返し連絡がある場合、その積み重ねが対応の判断材料になります。VoiceLine PBX クラウド版では、履歴検索で期間や発信者から過去の事案をたどれます。再発番号としてまとめておけるため、「この番号は以前にもあった」とすぐ把握でき、相談体制や対応方針の検討につなげやすくなります。

カスハラ対策は契約に応じたオプションで、検知の精度(閾値)は運用に合わせて調整します。詳しい仕組みはカスハラ対策のページにまとめてあります。なおVoiceLine PBX クラウド版は、緊急通報(110番・119番)およびFAXには対応していません。

【重要・法的免責】AIは検知・要約・記録の「補助」であり、ハラスメントの該当性などの法的判断は行いません。最終的な判断と対応は運用者が行います。また通話モニタリング・録音の運用にあたっては、就業規則の整備や利用者への通知など、社内での取り扱い整理が必要です。

記録の残し方は、現場の負担や社内体制によって最適な形が変わります。相談と見積りは無料です。現在の記録の取り方と閲覧できる人の範囲をうかがったうえで、どこまでを仕組みに任せられるかを設定まで含めてお答えします。


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